2020
名も無く素朴なもの
土佐和紙も土佐漆喰も想い出の風景の中で懐かしく優しく揺らいでいます。
想いは紙の中に溶け入り、壁の中でぼんやりとします。
和紙や漆喰を素材に郷土人形を作り始めて、それほど長い時間ではありません。
どれも自分勝手な作り方で拙いものばかりです。
ただ昔から伝えられてきた素材の力に助けられ「昔を今にする」という思いで作っています。
人の奥底の悲しみ喜び祈りが形になったもの、
そして名も無き人々によって作られ伝えられてきたもの、
そんな時の流れの端っこを
頼りなくゆらゆら漂いながらの制作です。